失敗から学んだ先にある写真の楽しさ


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フィルムの楽しいところは、失敗することでもあります。
…なんて、どんだけポジティブな言い方してんだって話ですが、それも必要なことだと思っています。
今日はそんなお話。

 

デジタルとフィルムの失敗の違い

デジタルって、その場で確認して対応出来るのはめっちゃ利点ですが、あまり失敗した意識ってないんですよね。あるとすれば、電池やSDカードを忘れる失敗くらい。
でもフィルムって、時にはほぼ全滅することがあります。当然、確認出来ないので撮ってる最中は気付きません。
仕事となると超怖いです。

単純なミスもあります。フィルムが空回りして一枚も撮れていかなかったり、電池が切れているのに気付かず撮り続けていたり。
フィルムを入れずに撮っていたこともあります。撮り終わって、裏蓋パカっ、空!? って、もうアホです(笑)。でもカメラによってはこれがあり得ます。
昔は現像所で自分で現像していたんですが、現像中に電気を点けられたこともありました。もちろんそのフィルムは全滅です。

 

失敗とは学ぶということ

クロスプロセスや多重露光など、博打的な要素のある撮り方をすれば、失敗することもあります。感度設定や露出を間違っていたり、距離設定や構図の失敗もあります。その日の天候や明るさに適したフィルムというのもあります。ふんわり撮りたいなら、それに合わせたフィルムをチョイスする必要があります。カメラの個性だってあります。
そこを学んでいかないとイメージ通りに撮ることが出来ません。

でも、僕はそうやっていろいろ失敗してきたお陰で、随分と学べることもありました。いまはトイカメラなどの天の邪鬼なカメラでも、イメージ通りに撮ることが出来るようになりました。
言ってしまえば、全ての失敗は成功への道しるべなんですよね。
新しいことに挑戦して、そこを乗り越えるたびに、写真の楽しさが増えていきます。

たいして知識もなく、だけどただ撮ることが楽しい時期もありましたが、それとはまた違った楽しさです。

だからそれを恐れないで、失敗しても悔やみ過ぎずに、次に生かしていけばいいと思います。

今はデジタル全盛期ですが、フィルムのある時代に生まれてほんと良かったなーって思っています。

 


 

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春は『多重露光』の季節


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春限定、というわけではないのですが、多重露光は花と重ねるとあまり失敗しません
適当に撮ってもそれなりの仕上がりになります。

もちろんコツはあるし、絶対失敗しないってわけではないですが、ある種博打的な要素のある多重露光。
その中でも『+花』というのは、本命に賭けるようなものだと思います。

 

本当は、先週くらいに東京で多重露光WSの予定をしていたのですが、致し方ない事情があって流れてしまいました。
なーかなか予定通りにいろいろ進んでいませんが、今年中には出来れば二回ほど行いたいと思っています。

本当は教室なんかもやってみたいんですが、大阪から通うのが大変だし、交通費と宿泊費も厳しい。
となると、土曜と日曜でクラスを分けて、連日にするか。ていうかそもそも人が集まるか?

仕事面も考えてしばらく東京を本拠地にするか?

ブログのアクセスも東京は圧倒的に多いんですよね。
次に愛知、大阪。関西と関東抜いたら次はなぜかカリフォルニアとかロンドン。

とりあえず、まだ大阪で教室もやっているので動けていませんが、今の内にいろいろ潜在意識にいい方法ないか探させています。


 

 

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かつて『AGFA ULTRA』という伝説のフィルムがあった


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先日書いた、「何かをはじめるのに遅すぎることなんてない」ということ。
逆に言うと『はじめるなら早い方がいい』ですよね。
ずっとやりたいって思っていることがあったら、それを思った時に始めていれば、きっと今頃それを楽しんでいますからね。

早い方がいい理由として、今しか出来ないこともあります。
フィルムはあとどれくらい生産されるか分かりませんが、もっと早くはじめていれば、もっと色んなフィルムでも撮れていたんだなーって思うことがあります。

いまもまだ、カラーだけでも20種類以上のフィルムがあって、それぞれ発色や柔らかさは違います。
だけど、10年後は5種類になっているかもしれない。
フィルム大ブームが来て歴代のフィルムが軒並み復活とかを希望しますが、もうモノクロしか残っていないかもしれません。

パノラマA01たとえば、もう生産終了したコダックのリバーサルフィルム。これでクロスプロセスするとド派手になります。
強烈な青空です。雲の存在感のある夏との相性は抜群でした。

パノラマA02こちらは今は無き伝説のネガフィルム、AGFA ULTRA100。ネガなのに鮮やか。そして柔らかい。気持ちいい青空ですよね。蜷川実花さんも使われていて、僕が一番好きなフィルムでした。

このフィルムが普通に売られていた時代もあるんですよね。もっと早くフィルムをはじめて、ちゃんと勉強していたら良かったなーって思っちゃいます。

でも、このフィルムたちを知っているし、使ったことがあるし、いい写真もたくさん撮れました。なんて考えると、やっぱり早いにこしたことはないですね。

とにかく。僕はこれからも、目一杯フィルムを楽しんでやろうと思っています。

興味のある方は絶対に今やるべきですよー。

 

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子供のかわいい撮り方〜その2


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まずは撮り方以前に、子供がカメラ慣れしてくれるのが一番だと思います。
でも、僕はピースされるよりも自然な姿を撮りたい派です。これはモデルさんを撮る時にも思います。ポージングしている時よりも、終わった瞬間が一番いい表情をしていますよね。

ちなみに写真館で撮るのは記録写真です。きっちりとしっかりと残しておくにはいいですが、いつも通りの自然な姿や表情も残していきましょう。
『幸せな瞬間を切り取る』という感じですね。

だからなるべく子供には無理強いはせずに、こちらがカメラの腕をあげればいいと思っています。

 

カメラ目線にこだわらない

たとえば動物園。象を背景に子供をこっちに向けて撮影する。
関西人の母親が言いますよ、「なにゾー見てんねん!はよ、こっち向けや!」って。
これが実際、よく見かけます(笑)。ちょっと怖いです。ゾーっとします(おいおい)。

はい、すいません。言いたくて我慢できなかった。

えー、子供は象を見たいんですから、それを無理矢理こっちに向けてどうするよって話ですよね。記念写真としては普通のことですが、よくよく考えてみると不自然な写真です。

撮りたくなる気持ちはすごく分かるんですが、まずは子供と象がいい感じに入る場所を探せばいいし、それがないのなら後ろ姿でだって充分可愛いです。

お花畑だった同じです。まずはキレイな景色を見せてあげることです。

親の時間や都合で動くのはある程度仕方ないことだけど、子供にだって子供の時間が流れています。
そんな楽しんでる自然な姿がアルバムに入ると、すごい思い出深いものになりますよね。

今回は『撮り方』というより『考え方』になりましたが、写真ってそこが結構大切だったりします。

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「いやいや、もうあんたが撮ってくれ」という方へ

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「基礎からもっとちゃんと教えてよ」という方へ

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子供のかわいい撮り方〜その1


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愛する我が子を可愛く撮りたい。でもどうも可愛く撮れない。
動き回って全然止まってくれないから、難しい。ブレてしまう。
そんな悩みをお持ちの方は多いのでは?

我が子も走り回るようになり、その難しさを痛感しております。
想像はしていたけど、「え?そんなにも動きっぱなしなの?」って感じです。
でもお陰さまでグングンと写真の腕もあがっております。

上手く撮るにはいくつかの方法がありますので、書いていこうと思います。

 

先にピントを合わせておく(置きピン)

子供の動きを先読みします。ここを通るだろうって場所(足下など)に半押しでピントを合わせておき(置きピン)、通る瞬間にシャッターを押します。
ピントを合わせた部分の少し手前から連写すれば、たいていどこかでピントは合います。
スポーツカメラマンなどが使う撮影方法ですね。
問題は確実に通る場所が分かっていないと難しいことです。

シャッターを半押しのまま待たなくてはいけないのが結構辛いですが、それを解消する親指オートフォーカスというのもありますが、またそれは後日に。

* 絞りを開放側にして背景をボカせばキレイですが、ピントの合う幅は狭くなるので注意

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動きがとまる方法を考える

『置きピンすればいい』と書いたものの、動いてる瞬間は練習を重ねないと難しいです。
そこで、どうすればその動きがとまるかを考えます
これは猫や犬と同じで、何かで興味を惹き付けましょう(笑)。お気に入りのぬいぐるみがあれば、それをカメラのレンズの上に置いてみるのも効果的です。
何かに集中させる、集中している瞬間を狙いましょう。

「ここに居てくれたらいい感じに撮れる」、って先に構図を決めてもそこには来てくれません。子供を中心にベストの構図を決めていきましょう。

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目線を合わせる

これも犬や猫と同じですね。上から撮るのではなくて、同じ目線で撮ることが基本です。
天気は曇天でしたが、手前のポピーと背景の菜の花がボケて、ふんわりした写真に仕上がっていますよね。
上から撮ると地面の茶色が写ってしまい、写真の雰囲気が少し暗くなります。

また、ボケ味が大切なので絞りは開放しましょう(F値の数字を小さくする)。

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写真の上達に必要なもの


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猫を撮る時は猫目線。花を撮る時は虫目線。

自分の目線なんて、他の人の目線と同じだから、そのまま写真を撮っても目新しさがない。だから、毎回というわけではないけれど、写真を撮る時は自分のいつもの目線を除外する。

たとえばこの写真なら、小人になった気分で見てもらえたら嬉しい。

ちなみにこれはノーファインダー。覗かないなんてダメだ!という方はいるかもしれないけど、僕は推進派。
慣れたカメラならファインダーを覗かなくても、どういう風に写るかはある程度分かる。LC-A歴ももうすぐで10年。ここまで使いこなせるカメラは他にない。

ノーファインダーはさておき。写真の上達にはカメラ慣れも必要だなって思う。

 

 

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写真はピントが命? ボケたらダメ写真?


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桜バックにコアラの遊具。でもご本人はこの表情。『乗せられた感、半端ねー』、って感じです。
もうすぐで一歳と四ケ月。走り回るのがお好きなようで、じっとしないから撮影の難易度もあがってきております。LC-Aでも撮るんだけど、シャッタースピードが早くないとブレブレになっちゃいますね。
NATURA1600でも入れとけば撮りやすいのかもしれないけど、そこはやっぱり好きなフィルムを入れたいし。でも感度100だとちょっと厳しい。とまぁ、そこの葛藤も楽しいんですけどね。

 

写真はピントが命

特にプロの世界ではそう言われています。僕はトイカメラ使いなので、『ピントを命にしてそうなカメラマン』っぽくは思われないかもしれないけど、撮影の際に優先するポイントでもピントは上位です。というか、それありきで撮っています。

特にデジタルで撮る時は構図は二の次です。傾きがあってもトリミングすればいいという発想です。それよりも、ピントや一瞬の表情を大切にしています。
あくまで優先順位であって、構図や平行をおろそかにはしませんけどね。撮った写真で完成が一番なので、全てをバシッと決めれる瞬発力も大切だと思います。

 

だけど柔軟さも大切

LC-Aのピント合わせは目測で、調整はレンズ横のレバーのみ(80cm・1.5m・3m・無限大)。ファインダーを覗いてもピントが合っているかは確認出来ません。HOLGAに至っては、それが人や山の絵文字。ピントが命です、というには無理のあるカメラ(笑)。
∞で撮ったと思っていたら、最短距離の80cmだったこともあります。どこにもピント合ってない写真が出来上がります。
でもそれが妙に味のある一枚になることがあります。だから「ピント合ってない=ダメ写真」までの考えはありません。

もちろん、仕事としては求められていることをしっかりやるのが前提なので、どこにもピント合ってませんなんて当然NGです。
ただ、写真なんてほとんどの方が趣味です。なのに、ピント合ってないからダメ、構図がダメ、主題が分かりにくいからダメ、フィルムはダメ、デジタルはダメ、フィルムで撮ったらアナログプリントしかダメ、、ってなんかしんどいですよね。

もうちょっとこうした方が良くなる、というのは当然ありますけど、ダメと決めつけるのが好きじゃない。
花を踏んづけたり、桜の枝を折って撮影してたらそりゃダメですが、撮った本人は何かに気持ちが惹かれてシャッター切っているんですからね。それを簡単に否定することなんて、出来ないですよね。

僕はトイカメラが入り口だったお陰か、ピントのことなどに関しても『味があればそれでいい』という、緩い部分があります。だから割と、柔軟にカメラライフを過ごせていられるのかなって思います。

 

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自分の写真(作品)を真似された時はどうすればいいか


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写真をある程度撮れるようになって自分の形が出来てくる頃、真似てくる人も現れます。こちらの写真をチェックされて、同じ場所で、同じようなアングルで撮って、それをSNSにドヤ顔で公開される。なんてこともあるかもしれません。

それに怒ったり、不満になることがあるかもしれません。きっと、モヤっとはしますよね。
僕は自ら撮り方を広めている立場なのでなんとも思わないですが、ようやく自分の写真に自信が付いて来た頃にそれをされると、モヤモヤモヤっとする方は多いと思います。

たとえば公開された写真がFacebookでいいねがたくさん付いていたり、コメントで褒められまくっていたり。
『○○さんに影響されました。真似てみました』って、自分のことを書いてくれていたらまだ許せるのかもしれないけど、あきらかな真似事をする人ってなぜか『自分の実力で撮りました』的な感じなんですよね。
写真に限らず、有名な方とそっくりな作品を堂々と販売されている方もいます。

でもね、アートなんてそういうもの。全てのはじまりは影響という名の真似事です。

真似されたとしても完全なコピーなんて出来ないし、もしも自分を越えるものを創られたのなら、それはもう真似ではなくなっています。

 

真似はされる方がいい

そもそも真似をされるということは良いことです。それだけ影響力があるということだし、認められているということです。だから『どんどん真似しなさい』ってスタンスでいいと思います。
でも、どうしてもそれが嫌ならどこにも見せずに自分の中だけで楽しんでいればいい。

なんて、どっちにしても厳しい意見になってしまっていますが、あまり気にせずに、これからも自分の撮りたい世界観で撮り続ければいいと思います。それは自分にしか出来ないことですから。

あきらかな真似事さんは、きっとまた別の誰かの真似事を繰り返すだけで、まだ自分の描きたい世界がないだけです。
一時的なことなんだし、あまり気にしなくてもいいと思います。
念の為書いておきますが、真似をする人を僕はダメだと思ってはいません。

それでも本当に真似をされたくないのなら、誰も真似できないレベルのものを生み出せばいいだけです。
といってもそれが一番難しいのですが、どうせ目指すならそこですよね。

 


 

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タングステンフィルムとは?


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昔はタングステンフィルムというのがありました。
白熱電球下での商品撮影などで、ちゃんとした色再現をする為につくられたもので、野外で使うと上記の写真のように青味が強く出ます。
ちなみにタングステンとは金属の名称のこと。それが電球にも使われています。

はい、この説明だとなんだかちょっと難しいですね。
昔、現像所に勤めていた頃ですが、このフィルムの意味がよく分からなくって、いろんな方に聞いたのに誰もちゃんと答えてくれませんでした。写真好きな人がいませんでしたからね〜。でも、リバーサル現像の部署だったので、それくらい知っていて欲しかったです。ま、説明されたけどこちらの理解力がなかっただけかもしれませんが。

タングステンフィルムとは?

簡単に言うと室内用フィルムです。他のフィルムで室内で撮ると赤と黄色が強く出てしまって、まともな色で撮影が出来なかったんですね。それを室内でもちゃんと撮れるようにしたフィルムです。
逆に野外ではちゃんとした色味になりません。でもそれをあえて野外で撮るとブルーに転がり、ゆるい感じに撮れて面白いんです。

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写真撮影に大切なことで『色温度』というのがあって、それが関係しています。
これについては難しいのでまたどこかで書くとして、『ホワイトバランス』という言葉なら聞いたことあるかなと思います。
いまのカメラはスマホでさえ、ホワイトバランスがオートで撮れます。ようは「ちゃんとした色で撮りますよー」ってことです。フィルム写真をやらないと気付かない便利さかもしれません。

これをオートではなくって、自分で変更することで色味を変えて撮ることも可能です。

文章だけでサラッと書くのは難しいですが、ここを覚えていくと表現の幅はぐっと広くなって、撮影がもっと楽しくなりますよ。

 

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撮影スポットは自分の足で見つけるもの


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桜の開花予報、大阪では3月23日のようですね。今年は早い!

昨年は晴れた日に一度も撮れなかったので、今年は撮りまくりたいです。
どこに撮りにいくかはまだ何も決めてませんが、もうとりあえず咲いていればどこでもいいです。

これまでに撮った桜のお気に入り写真も、「名所に行ってきましたー」ってものではなくって、地元の小さい公園だったりするので、今年は娘も連れて行きたいし、人が少ない所がいいな。

桜に限らず、知る人ぞ知る場所ってありますよね。
でもそんな場所も、いまや簡単に拡散されて広まって、結局その場所にご迷惑をかけることがあります。食に関してならいいかもしれませんが、撮影スポットとなるとあまり広まらない方がいいかもしれません。売店出したり、祭りを開催してるところならいいんですけどね。

あまり有名でない場所も突然火がつく時代。そしてたいてい荒らされる。

もちろん花の咲いている場所を検索してそこに行くことも多々ありますが、写真家ならば自分の足でも見つけたいですね。

 


 

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