真実と過去の時間帯


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教室やワークショップが終わる頃の時間帯。日が傾いて影が伸びる、夕暮れの少し前が好きです。

それまでは均等に当たっていた光が、被写体の別の姿を映し出します。何気ない風景が突如輝き出す、みたいな。
いろいろ撮影して来た後でも、一番テンションが上がります。

写真をやめたいと思ったことはないですが、写真をやめたら何が出来るか考えることはあります。それなりに何でも屋みたいなことをやってきてますが、プロと比べると雲泥の差かもしれない。
結論は『やっぱり誇れるのは写真だけやな』です。取り上げられたらチーンです。

絵を描くことや文章を書くことは好きだから、そっち方面でも何か出来ればいいなぁと思っていたりもします。写真をはじめる前はむしろそちら側でした。
写真って、たとえ多重露光しても撮影するものは『真実』だけど、絵や文章は『架空』の世界を創り出せるから、羨ましく思うことがあります。

せめてもの抵抗かもしれないけど、写真の中には物語を詰め込むことを心掛けています。見てくれた方が前後を想像したくなるようなものを撮ろう、と。

夕暮れの少し前の時間帯って僕にとって『真実』がちょっとだけ歪められる気がします。
『未来的な架空』というよりは、『過去の想い出』ですけどね。

 

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