「押す?」
未来に起きることの記憶だけは消されるとして。
もしも僕がタイムスリップして小学生になったら、休み時間や放課後にずっと写真を撮っていると思う。
校舎に教室に机に黒板消しにバスケットゴール、桜の木に、遊具、カラフルなタイヤ。
いい被写体だらけだから仕方がない。今日はどのフィルム使おうかと、学校に10種類くらい持って行く。フィルムの種類も豊富だろうし、ワクワクする。
それが楽し過ぎて、ドッジボールの誘いも断って、変な奴と言われて、孤立して、上履きではなく撮影済みのフィルムを隠されて、「それだけはやったらあかん」と、激怒。
20歳までに企業してやろうと目論んで、ビジネス本を読んでいるから、先生から見ても嫌な小学生になる。誰も近寄って来ない。
そのまま高校卒業まで孤立。
そして、22歳でそこそこの大富豪。
好きなものを買って、タワーマンションに住んで、ポルシェを乗り回して、年上からは生意気と叩かれて、お金目当ての女だけが寄って来る。
だめだ、想像するとあまり幸せじゃない。
…って、なんの話や。
娘のいずれの母校。どんな学園生活を送るんだろうな。