光漏れフィルムを自作して色褪せた雰囲気に


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常に写真世界の限界を求めていきたいと思っています。特にフィルムの方がいろいろと出来ることがあるなと思っています。

最近は仕事の都合もあってデジタルの出番が増えたからか、『アート』を求めるよりも『ちゃんと撮ること』に焦点を当てていました。でも、ワークショップでフィルムの遊びの部分を振り返ることになって、やっぱりアートやりたいなーと。

てことで、久しぶりの実験は自作光漏れフィルム

『Retro Chrome320』で作ってみました。昔に撮ったかのような雰囲気になるリバーサルフィルム。
さらにもっと色褪せたような雰囲気になりましたね。

やっぱり僕はノスタルジー好きなんだなって再確認。

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どれだけ光を当てるか、その加減が難しくって真っ白になった部分もありました。
これもまた別のフィルムでやると結果も変わりますね。感度100のネガが作りやすいかな。

誰でも簡単に制作出来ますが、1,000円以上するフィルムで実験するのはちょっと勇気が必要です(笑)。
とりあえず、あと数本は試そうかと思っています。

トイカメラ・クロスプロセス現像・多重露光・光漏れフィルム。
博打要素の強いものをコントロールしていくのがとても楽しいです。

hikarimore

 

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「ファインダーを覗いたけど結果を予想して撮らない」という行為


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世界一有名なカメラマンと共に撮影に。
ファインダーを覗いたけど撮らなかった瞬間に、言われた。

『シャッターわいな?』

「えっ?」

『いま、シャッター切ったんかいな?』

「あ、いえ」

『写真歴だけで上手い下手は決まりゃんけどな、ちーとでも気になるシーンがあれば撮りんしゃいや。いっぺんカメラ向けたでしょう? 出来上がりを勝手に予測してやっぱり撮らんなんて、おこがましいわ!』

と説教されて、ハッとしたところで目が覚めた。
あ、夢から覚めた(ややこしいな)。はい、ただの夢です。

写真をずっと続けてきたけど、確かにファインダーを覗いただけで結果が100%分かるほどの腕はない。「あ、これは違うな」と言って撮らないのが一見プロっぽくて格好いいように見えるかもしれないけど、それでも一瞬は何かに惹かれてカメラを構えたはず
それを無視するのは逆に格好悪いのかもしれませんね。

 

 

マンツーマンのレッスンもやってます

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「趣味や好きなことを仕事にしない方がいい!」なんてことはない


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趣味や好きなことを仕事にしない方がいい。という、定番のお言葉。
『写真を仕事にしたいと言っている人』が、『写真を仕事にしている人』から言われるみたいです。

すでに仕事にしているからかもしれないけど、実際に僕が言われたことはないです。
仕事にしたいと思ってた頃に言われた気もするけど、それは好きを仕事にしていない人からの言葉だったので、説得力もないし覚えてません。

いろんなアーティストさんと会ってきたけど、誰もそんなことを言わない。

あれ?いったい誰が言ってるのやら。

 

肝心なのは何の為に、誰の為に撮っているか

その言葉って、仕事になるまでの道のりじゃなくて、仕事になった後の話ですよね。で、おそらく仕事となると好き勝手に撮れない。クライアントが望むように撮る。だから、好きじゃなくなる….
みたいなことを言いたいんでしょう。

仕事なんだからそれは当たり前なことだけど、だからって嫌いになるのかな?
そんな仕事ばかりじゃないはずだし、自分の写真の雰囲気を知った上で依頼されて撮ることもあるはず。それで喜んでもらえるとか最高ですけどね。

それを言った人が、どんな状況だったか分かりません。本当は仕事にして良かったと思っているけど、甘く見てるからつい戒めの為に言ったのかもしれない。
もしくは、本当に仕事にして後悔してるのかもしれない。

でも、そんな人はきっと、自分のために写真を撮っていたんでしょう。

 

やってみないと分からない

わざわざ言わなくていい言葉かもしれないけど、言われて諦めるくらいなら、まーそれでいいのかもしれない。
本気で好きで人生を賭ける価値があるなら、反対意見って聞こえないです。

でも、写真家といっても仕事のスタイルなんてそれぞれ。同じ仕事でも、その中での考え方や受け取り方も人それぞれ。だから、その言葉にあまり意味なんてないです。惑わされる必要もないです。

 

僕は写真を仕事にする前から、どこかの誰かの心に届けたくて撮ってきました。
それは作品的なものでしたが、自分のためじゃなくて、仕事として人のために撮れることが嬉しいです。

自分で経験しないと分からない。だから僕の言葉も当てにはならないかもしれない。でも僕は、仕事にすることで、さらに写真が好きになりました。

 


 

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撮影アンテナピコンピコン


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写真を撮りたいけど、撮るものがない時期がある。春や秋は花もたくさん咲いているし、外出することが気持ちいい。
でも真夏や真冬は、まず外に出ることが億劫。

撮るものや撮りたいものだって、春に比べると確かに減ってしまう。

「ないない」と思っていると何も見つからない。アンテナだって張らない。

でもそんな中から何かを見出すのも写真の醍醐味だと思う。
誰も見向きもしない場所や、見慣れた通勤路にもステキは転がっているはずだから。

だから常にアンテナ張ってましょう。

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ほら、見つけた。

 

 

カメラの個人レッスン

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名古屋にてフィルムトイカメラ教室を開講します


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僕はプロ・トイカメラマン、観覧車写真家、という肩書きで活動しています。
それはあくまで作家的な肩書きで、そこに縛られ過ぎることなく、普通にデジタル一眼を使って、家族やペット撮影などもしています。
フィルムは個人的にこだわりたい部分なんですよね。

 

愛知県は全国で一番観覧車が多い県です。
2年前は、中日文化センターでトイカメラ教室をやっていたので、その際に撮りまくりました。
撮影会で行くこともあったし、終わってから一人でも撮りにいってました。

観覧車に限らず、愛知県の撮影スポットはかなり行きました。当時は大阪でより、撮影していたかもしれない。

東京にはたまに行くことはあったのですが、名古屋はその時がはじめて。
いろいろな縁がありました。

教室は終了したのですが、それは言ってしまえば雇われていたもの。
今度は自らそのを広げたいと思っています。
もちろん名古屋に限らず、全国に縁を繋げたいと思っています。と同時に、フィルム文化をもっと広めたい。

てことで、これから開催までちょくちょく告知していきますが、名古屋にてトイカメラ教室を開講します。

*募集を締め切りました。


□ 内容
トイカメラやフィルムに興味のある方、基礎からちゃんと学びたい方。持っているけど使いこなせていない方、フィルムカメラをはじめたいけど、どのカメラを購入すればいいか分からない方。
講座、撮影会、講評会を通し、カメラ別の写り、フィルム別の発色、クロスプロセス、多重露光を学びます。講座の際はたくさんのサンプル写真をお見せ致します。デジタルでの撮影がメインの方もフィルムを知ることで、さらに写真の奥深さや、光の大切さ、一枚一枚の大切さを知ることが出来ます。生徒さん同士での交流も生まれますよ。 

□ 講座の会場
名古屋・栄駅の貸し教室(予定)
第一回は名駅から徒歩6分の貸し教室。

□ 時間
14時〜16時

□ 料金
全12回 45,600円(3,800円×12回)
お支払いは2ヶ月ごと。15,200円×3回 

* 交通費、カメラとフィルムの購入費、現像代は実費
* レンタルカメラ無料
* 初回の撮影会の際、トイラボさんの無料現像券プレゼント。現像費・プリント代・16BASEデータ化(2,500円〜相当)。
* 少人数の教室のため、欠席の際のご返金はございませんが、別日の講座終了後や撮影会の際に授業の内容の簡単なご説明、資料をお渡しいたします。
* 講座終了後(授業外)にも撮影に行くことがあります。もちろん同行は無料です。

 

日程と内容の詳細はコチラ

 

*募集を締め切りました。

 

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撮影する時に心掛けていること


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大切なものは目に見えません。いつも隠れてしまうもの。

写真は見た目が全てかもしれないけど、目に飛び込んできた後に、心に広がる感覚ってあると思います。
それは受け取る側によって変わるだろうし、それを言葉にするには難しいかもしれません。

 

『なんかいい!』はめっちゃいい!

キレイな写真は世の中にいくらでもあるけど、『+の何か』を感じる写真はそんなに多くありません。

+の何かとは撮影者が写真に乗せた感情です。
写真を撮る時って、心が動いたからですよね。

では、なぜそれを撮ったのか?

その理由を言えるようになりなさい、という写真の先生がいるかもしれません。でもその理由の前に、きっと感覚が先に来ると思います。「あ、なんかいい」ってやつが。

そこで、先に理由付けをしてしまうと、その『なんかいい』という間隔を遠ざけてしまうのではと思っています。
ていうより、理由から入ると撮らなくなるかもしれない。
極端なたとえですが、感覚100%で生きている人なら、その理由を言葉にして説明するのが苦手なはず。だから理由→撮影という流れは相応しくないです。

いいなと思った瞬間にシャッターを切れる瞬発力の方が大切です。

 

右脳と左脳をバランス良く使う

とはいえ僕は感覚重視の天才肌ではなくて、論理的な人間。何かをデータ化することも好きです。
そのデータを元に、この被写体、この天気ならこのフィルムがいいな!いう感じで撮影しています。

感覚と論理、つまり右脳と左脳です。
論理だけだと、ただのキレイな写真で終わってしまう。

感情が先に動いて、その後に知識や経験やセンスが求められるものだと。

 

…という。あくまでただの僕の考えですが、そのバランスを保つことを心掛けています。

 

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未完成な写真


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最近思うのは、自分の写真世界はまだまだ完成されていないということ。

昔はもっと自信があったと思う。極めたつもりでいたのかもしれない。目的地が明確だったかもしれない。でもそれはただ無知だったからなんですね。

今なんて目的地が、高い山の頂上みたいに霞んで見えやしません。ぼんやりと、とりあえずこっちに行けばいいんだろうって感じです。写真に対してずっと一途にやってきて、その時間が長くなるほど自分はまだまだってどんどん気付いていきます。

だからこそ、一生を捧げてとことん追求していきたい。僕にとってはそれくらい価値のあるもので、ほんとにステキな贈り物を授かりました。

そして、どうせなら今の活動の中で、そんなことも伝えていきたいです。写真はめっちゃええよーって。
技術や知識を教えながら、撮影することの楽しさだけでなく、続けることで見えて来る面白さもそれとなく伝えていきたいです。

このブログでもそうだし、出来ることならワークショップや教室を、じーさんになっても続けていきたい。

 

 

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芸術とは、最も美しい嘘のことである


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ドビュッシーの言葉です。いいですね。僕にとっては写真も芸術ですから。
本人は『音楽は』、ってことで言ったのかもしれませんけどね。音楽や絵画は架空のものを創り出せるけど、写真は存在するものに限られてしまう。
でもそこに縛られなくてもいいや、と。

ちゃんとした写真だけが写真じゃないですよね。クロスプロセス現像で現実離れした色味にしたり、多重露光という嘘の写真もいいじゃないかと。

『そんなの写真じゃない』、と言う方もいるかもしれません。
でも、写真の定義って『穴やレンズを通して光を感光剤に焼き付け、現像処理をして可視化したもの』です。この写真は空と観覧車の多重露光をクロスプロセス現像したもの。定義からはズレていませんし、Photoshopで合成したわけでもありませんからね。

ま、ちゃんとした写真って何なんだって聞かれても正直良く分かりませんし、人によって変わるもの。
そもそも、見たままを撮るのって難しいんですけどね。

何が言いたいかって、写真世界って『こうでないとダメ!』って言う方が多いけど、どう表現するかは自由です。真実を伝えるための写真だけでなく、美しい嘘の写真があってもいいですよね。

 


 

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トイカメラの教科書『ゆるふわ(ハイキー)写真の撮り方』


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トイラボさんで連載中のコラムがアップされました。
今回は、女性に人気の『ゆるふわ写真の撮り方』です。

こういう写真、作家さんによっていろいろ言い回しは違いますけど、柔らかくってふんわりした写真ってことですね〜。

一時期の僕はクロスプロセスでビビッドなガリゴリなド派手写真や、昭和レトロなノスタルジー写真が好きでしたが、最近の僕の写真はこっち寄りです。
いまもビビット&レトロは撮りますけどね。

これまでいろいろ撮りながら、自分の世界を広げてきました。
ここからはそれをもっと尖らしていきたいです。

いまは撮り方を教えているので、「どんどん真似してねー」という感じですが、誰にも真似が出来ない唯一無二なカメラマンも目指しています。

 

「ゆるふわ(ハイキー)写真の撮り方」

 


 

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失敗から学んだ先にある写真の楽しさ


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フィルムの楽しいところは、失敗することでもあります。
…なんて、どんだけポジティブな言い方してんだって話ですが、それも必要なことだと思っています。
今日はそんなお話。

 

デジタルとフィルムの失敗の違い

デジタルって、その場で確認して対応出来るのはめっちゃ利点ですが、あまり失敗した意識ってないんですよね。あるとすれば、電池やSDカードを忘れる失敗くらい。
でもフィルムって、時にはほぼ全滅することがあります。当然、確認出来ないので撮ってる最中は気付きません。
仕事となると超怖いです。

単純なミスもあります。フィルムが空回りして一枚も撮れていかなかったり、電池が切れているのに気付かず撮り続けていたり。
フィルムを入れずに撮っていたこともあります。撮り終わって、裏蓋パカっ、空!? って、もうアホです(笑)。でもカメラによってはこれがあり得ます。
昔は現像所で自分で現像していたんですが、現像中に電気を点けられたこともありました。もちろんそのフィルムは全滅です。

 

失敗とは学ぶということ

クロスプロセスや多重露光など、博打的な要素のある撮り方をすれば、失敗することもあります。感度設定や露出を間違っていたり、距離設定や構図の失敗もあります。その日の天候や明るさに適したフィルムというのもあります。ふんわり撮りたいなら、それに合わせたフィルムをチョイスする必要があります。カメラの個性だってあります。
そこを学んでいかないとイメージ通りに撮ることが出来ません。

でも、僕はそうやっていろいろ失敗してきたお陰で、随分と学べることもありました。いまはトイカメラなどの天の邪鬼なカメラでも、イメージ通りに撮ることが出来るようになりました。
言ってしまえば、全ての失敗は成功への道しるべなんですよね。
新しいことに挑戦して、そこを乗り越えるたびに、写真の楽しさが増えていきます。

たいして知識もなく、だけどただ撮ることが楽しい時期もありましたが、それとはまた違った楽しさです。

だからそれを恐れないで、失敗しても悔やみ過ぎずに、次に生かしていけばいいと思います。

今はデジタル全盛期ですが、フィルムのある時代に生まれてほんと良かったなーって思っています。

 


 

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